# 科学へジャンプ・サマーキャンプ2023 報告書 #JUMP TO SCIENCE SUMMER CAMP 2023 10th&15th anniversary year since 2008 - 日程: 2023年7月15日~17日 - 場所: 筑波技術大学春日キャンパス - 主催: 科学へジャンプ・サマーキャンプ 2023 実行委員会 - 共催: NPO 法人 サイエンス・アクセシビリティ・ネット - 協力: 筑波技術大学 - 協賛: 株式会社インテック(INTEC Inc.)  ## はじめに 2015、2017、2019と奇数年度の隔年開催を続けていた科学へジャンプ・サマーキャンプ(全国版)も、全世界を襲ったコロナ禍の影響を受け、2021年は中止せざるを得ませんでした。その後、なんとか継続させようと1泊10名という形でしたが2022年の9月に新潟にて復活を果たし、今年は2泊3日のイベントとして実施しました。さらに今回は回数で数えて10回目、年数では15年目という節目に当たるアニバーサリーイヤーです。 会場は、筑波技術大学から協力を頂き、同大の講堂や会議室を利用させて頂きました。(筑波技術大学は視覚障害・聴覚障害の学生のみを受け入れる学部を持つ国立大学です。)また、会期中のエクスカーションとしてJAXA・つくば宇宙センターのツアー参加も実現できました。 無事成功裏に終わったサマーキャンプですが、ひとえに協賛頂いたインテック様をはじめ、実行委員会委員の皆様、当日支援ボランティアをしてくださった皆様のおかげです。深く感謝いたします。 科学へジャンプ・サマーキャンプ2023実行委員長  小林 真   ## スケジュール ※ワークショップ内容は中学生/高校生の順で記載 ### 7月15日 土曜日 13時~:開会式 14時~:ワークショップ1(巨大電磁石/情報造形ユニット) 16時~:ワークショップ2(情報造形ユニット/巨大電磁石) 18時~:夕食 ~21時:歓談 21時~:ホテルへ移動 ### 7月16日 日曜日 8時30分~:大学へ移動 9時~:ワークショップ3(NFCの世界/IT・AI体験) 11時30分~:昼食 12時20分~:JAXAへ移動 13時30分~:JAXA見学ツアー 14時30分~:JAXA一般展示を自由見学 16時30分~:大学へ移動 18時~:懇親会 21時~:ホテルへ移動 ### 7月17日 月曜日 8時30分~:大学へ移動 9時~:ワークショップ4(地球の直径) 11時30分~:閉会式 12時~:解散 13時30分~:希望者向け筑波技術大学ツアー (障害者高等教育研究支援センター/情報システム学科)   ## ワークショップ解説:巨大電磁石で磁場を触ろう - 担当者:児玉 康一 - 概要:このワークショップでは、直径30センチの巨大電磁石を使って、その周りにできる磁場の様子を探ります。棒磁石を手に持ってこの電磁石に近づけると、目に見えない磁場を触る事ができます。次に、電磁石の中で電流を流して、電流が磁場から受ける力(ローレンツ力)の様子を探ります。最後に、この力を利用したモーターを動かします。 ワークショップの目的と狙い 内径30センチの巨大な空芯電磁石を使い、電流が作る磁場の様子を、手の触覚で理解する。 - 準備した教材 + 巨大電磁石+電源装置 + フェライト棒磁石、ネオジウム磁石、小さな電磁石(2cm径、電池駆動) + その他小物類 - ワークショップの流れ 1. フェライト棒磁石と小電磁石(鉄心有)を使い、磁場について学校でやった事を復習する。 2. ネオジウム磁石と小電磁石(鉄心無)を使い、鉄心無コイルの周囲に磁場がある事を確認する(触覚)。 3.巨大電磁石の作る磁場の形状をフェライト棒磁石で探る(触覚)。 4.巨大電磁石の磁場を使って直線電流に働く力を確認する(触覚+視覚)。 5.巨大電磁石の磁場中でモーターを回す。回る様子を確認する(触覚+視覚)。 6.巨大電磁石にPCのスピーカ出力をつなぎ … (ア) 紙コップの底にネオジウム磁石を張り付けた手作りスピーカで音声を聞く。 (イ) 小さな電磁石にイアホンをつけたピックアップで音声を聞く(電磁誘導)。   ## ワークショップ解説:触れて、創る、理解する - 情報造形ユニットで探る立体造形の世界 - 担当者:松尾 光伸、金堀 利洋、田中 仁、加藤 宏 - 概要:「情報造形ユニット」って知っていますか? これは、彫刻家の松尾光伸さんが発明した特別なブロックです。このワークショップでは、このブロックを使って自分だけの作品を作ります。視覚に頼らず、触覚だけでブロックを組み合わせてみましょう。何万通りものパターンがあるから、あなただけのオリジナル作品がきっとできますよ。楽しみながら、空間を感じる力も鍛えられます。 ワークショップの目的と狙い このワークショップの主な目的は、立体造形の基本的な理解を深めることである。さらに、触覚を駆使して空間認識の能力を向上させることを狙っている。。情報造形ユニットを使用することで、クリエイティブな作品作りの楽しさを体験することも大切な狙いとした。 - 準備した教材 + 情報造形ユニット各種 - ワークショップの流れ 1. 情報造形ユニットの紹介とその特性の説明。 2. ブロックの組み合わせ方の実演。 3. 参加者によるブロックの組み合わせ体験。指導者がアドバイスを行いながらサポート。 4. 作成した作品の発表と共有。 5. ワークショップのまとめと、情報造形ユニットを使用した今後の活動の紹介。 ## ワークショップ解説:NFCの世界(中学生) - 担当者:山口 俊光 - 概要:支援技術チャンネル「ATtv」の山口さんが送るコンピュータワークショップです。SuicaやIcoca、Sugocaなどの交通系ICカードに使われているNFC(Near Field Communication)について体験を通して学びます。 - ワークショップの目的と狙い + 日常的に使っているテクノロジーの中身を少しだけ知ることの面白さを味わう + 前日の「巨大磁石」の話題からはじめることで,学校で習う物理現象から我々の生活に深く関わっている決済システムまでが連続していることを感じる - 準備した教材 + NFCタグ(Felica Lite-S仕様のカードを30枚) + NFCタグ(Felica Lite-S仕様のシール,裏面から回路がよく見えるものを人数分,ワークショップ終了後はお土産に) + RFIDタグの実例(当日はユニクロの値札を準備) + ハサミ(ユニクロの値札を外すため) + 非接触ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S300 + iPad(拡大鏡アプリで観察するため,拡大読書器でも可) + LEDライト(ユニクロの値札をすかして観察するための光源) + NFCタグの拡大印刷(立体コピーで触察可能にしたもの) + PC(NFCタグに読み書きしてみるためのソフトを実行する,ブラウザEdgeとスクリーンリーダーPC-Talkerをインストールしたもの) - ワークショップの流れ 1. Suica使ったことある? 身近なNFCタグの実例として参加者に交通系ICカードの利用状況を尋ねる.関西からの参加者と関東の参加者がいたのでSuicaとIcoca,Pasmoを持っている生徒がいた.生徒の中には他の交通系ICカードを知っている人もいた. 2. 電池切れのSuicaって見たことある? Suicaの中にはICチップが内蔵されており,中には情報が記録できたり読み出したりできることを話て,一種のコンピュータであることを紹介する.その後「Suicaが電池切れになっているのを見たことがあるか?」という質問を参加者に投げかけた. 電源がどこにあるのかを探すため,NFCタグの拡大印刷を使ったり,裏側が素通しになっているシール型のNFCタグを拡大鏡アプリで観察してもらった. 生徒から様々な見解が挙がったところで,電源は内蔵されていないと告げる.その後,前日の実施された電磁石のワークショップの話をして磁界の中にコイルを入れると発電されることを思い出してもらい,再び観察をして今度はコイルを探してもらった. 3. ユニクロの値札に隠された非接触通信タグ 商品管理用の取り付けられている値札にはRFIDが内蔵されており,商品管理や会計に利用されている. NFCはRFIDの一種であることを告げ,参加者にタグ付きの商品を配布しRFIDの場所を探してもらった(今回はロービジョンの参加者のみだったので視覚的な方法での探索).商品タグの裏面にあるものはそのまま拡大鏡アプリで観察し,タグの内部に内蔵されているものは背面から光を当てて影を拡大鏡アプリで観察した. 4. NFCタグに読み書きしてみる 読み書きはChrome系のWebブラウザで使用できるWebUSBを利用したオリジナルのWebアプリを利用して行った.各自,自分の名前を書き込んで正しく読み取れることを確認し,Webアプリの操作に慣れてもらった. 5.「NFC川柳」で遊んでみよう ワークショップの最後に「NFC川柳」を実施した. カードタイプのNFCタグを一人2枚ずつ配布しそれぞれに5音の言葉と7音の言葉を書き込んでもらう.それぞれを回収しシャッフルした後,5音が記録されたカードを2枚,7音が記録されたカードを1枚選んで,ランダムにでき上がる川柳で笑って本ワークショップは終了となった. - その他書き残しておきたいこと + PCのセットアップにもう少し時間を割いて,見やすく設定すべきだった(Windowsのアクセシビリティ機能について触れる良い機会だった...). + 前日に電磁石のワークショップがあったので導入部分がやりやすかった + NFCタグのメモリが限られていることを活かして,限られた領域にうまく情報を格納するアルゴリズムにフォーカスしたワークショップを構成すれば,もっとプログラミング寄りの内容にもできるだろう.高校生向けではそれも良いかもしれない. + RFIDタグ付きの商品を会場に持ち込みタグをはずところから観察をしてもらった.中には初めて衣類の商品タグを外すようで,不慣れな手付きの参加者がいたのが印象的であった.科学やテクノロジーへの興味・関心は日常の経験からはじまることも多い.周囲の大人が先回りして快適な環境を作ってしまうのではなく,小さな失敗を許容する余裕が家族,学校,社会にできて様々な体験ができると良いな,と思う. ## ワークショップ解説:最新のIT/AIを体験してみよう!~ITは我々の生活を便利にする手段?~(高校生) - 担当者:守井 清吾、濱岡 英雄、京田 昭広、加藤 聡、林 康二、千野 歩、石井 貴幸 - 概要:このワークショップでは、最新のIT、AI技術の仕組みの一端を学びます。さらに、これらの技術が我々の生活にどのように生かされているかについて、体験を通して実感します。 主な内容は、以下の2つです。 + 靴に装着する歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」体験 + 画像が文字だけで描いたり知ったりできる最新AIデモ また、当日までにAIで描いてみたいイラストのイメージ、例えば好きなアニメのキャラクター、画風、好きなイラストレーターなどの情報を考えてきてください。 - ワークショップの目的と狙い + 最新のITに触れ、ITの興味喚起を促すこと。 + IT技術が自身の生活を豊かにすることを実感すること。 + 今後のITの潮流になるであろうAI技術を理解すること。 - 準備した教材 + あしらせ(商品現物) + AI/ITに関する歴史を学べるクイズシステム(Moodle上に構築) + ディープラーニングの外観を示した触図(3種類) + 生成AIで試験的に作成したイラストの触図(サウンドテーブルテニス) - ワークショップの流れ 1. あしらせの実演デモ。 2. 生徒の感想を聞く。 3. IT/AIに関する歴史クイズにて、コンピュータの歴史を学ぶ。 4. 作成した生成AIデモシステムの説明。 5. 上記システムで自由なイラスト生成体験。 6. 上記生成AIの内部ロジックの説明。概要のみとし、詳細はのべなかった。 7. 生徒から全体感想をもらう。 - その他書き残しておきたいこと + 学習時間が少なく、一方的な講義になってしまった。 + 触図のみ用意したが弱視者向けの教材を用意すべきであった。 + 歴史クイズと生成AIデモシステムのUIをもっと簡便にしないと生徒には使ってもらいにくいと思う。 + 全体的に生徒に自主的に発言/操作してもらう時間が少なかった点を反省した。   ## ワークショップ解説:地球の大きさのいいかげん計測 - 担当者:小林 真、渡辺 哲也 -概要:屋外で計測する距離と、スマホで得られる緯度・経度の情報から、地球の直径を計算する。距離計測には歩数と1歩の長さの情報のみを使う。また、GPSがどのように位置を計測しているのか、その原理についても学ぶ。 - ワークショップの目的と狙い 「円周と中心角の関係」「比の内項の積と外項の積」といった基礎的な数学の知識を実際に使ってみることで、計測や計算に対する理解を深める。また、大きな数の計算やスマホから得られるデータの精度などを意識することを通して誤差に関する感性を養う。 - 準備した教材 + 各自の持ち寄るスマートフォン + コンベックス・レーザー距離計といった長さを計測する機器 + GPSの原理説明のための触図 - ワークショップの流れ 1. 半径Rから円周を求める公式2πRの角度は360度であることから、2πR:360=地表上の南北方向の距離:緯度の差 であることを理解し、Rを求める数式を算出する。 2. スマホのコンパスアプリなどを使って、緯度や経度を読み上げることを確認する。 3. チーム分けをし、歩く担当や記録する担当を決める。そして屋内でテーブルなど触れるものを頼りに10歩だけ直線を歩いてその距離を計測し、1歩の長さを計算する。(何度か歩いて平均を取るといったことも促す。) 4. 屋外に出て、南北(もしくは東西)に長く歩ける場所を歩く。スタート地点と100歩や120歩などキリの良いところで緯度(もしくは経度)をそれぞれ計測し、記録する。 5. 屋内に戻り、それぞれのデータをもとに地球の半径を計算する。前日のJAXAで学んだ半径の長さとどの程度近い値が出たか、また異なる数値になった場合はその理由は何かを考える。 6. GPSの原理について詳細を学び、スマホの時刻が合う原理を理解する。   - その他書き残しておきたいこと + 暑い日中の屋外で実施する場合は、帽子や日焼け止め、飲料水などの確保をしっかり促す。 + 事前にスマホアプリの使い方や電卓ソフトの使い方などを調べておいてもらう。 + 筆記用具やデジタルデバイスなど、屋外で記録できる準備をしておいてもらう。 ## 生徒感想文 ※個人情報を含む表現などは一部改変しています。 ### 中1(弱視) 僕は、科学へジャンプに行ける日をとても楽しみにしていました。けれどその反面、少し不安もありました。その理由は知っている人が一人しかいないからです。ほかにもどんな人が参加するのかという不安もありました。ですが、その不安もすぐに解消されました。自己紹介で「何の音が好きか」という質問にみんなの答えは僕が思いつかないものばかりで、とても面白い人達だと思ったからです。そんなことから始まった科学へジャンプは僕にとってとても有意義で楽しい3日間でした。 僕にとって有意義だったことから書きます。ワークショップ1では、「巨大磁石の磁場を触ろう」ということについてやりました。巨大磁石に電流を流し、そこに棒磁石をいろいろな方位から近づけました。すると棒磁石が回転したので磁場がうずになっているということがわかりました。この仕組みを利用したものが車のモーターであると知り驚きました。ワークショップ2では彫刻家の松尾光伸さんが発明した特別なブロックを使い、自分だけの作品を作る活動をしました。ブロックの組み合わせ方が何万通りあると知り驚きました。ワークショップ3では、SuicaやICOCAなどの交通系ICカードに使われているNFCについて学びました。ここでは、SuicaやICOCA自体には電池がなく、かざす部分に電池があると知ったっことが新しい発見でした。そして僕がこの3日間の中で一番気になっていたJAXAです。JAXAでは、見学ツアーと自由見学の2つをしました。見学ツアーでは、実際の宇宙服を見たり、宇宙で寝るときと同じ角度のベッドに横になりました。ベッドは6度頭の方が下になっているようですが、実際横になるともっと角度があるように思いました。他にもJAXAの人たちが働いているところを見ることができました。僕が驚いたのは、日本の標準時ではなく、イギリスの標準時を基準として働いていることです。自由見学では、人が宇宙に行くと、寿命が1/2から1/3になってしまうことに驚きました。宇宙では筋肉を使わないため、急激に筋肉が衰えるからだと知り、筋肉は重要なのだと思いました。ワークショップ4では、自分の歩幅で緯度・経度の分かるアプリを使って、地球の直径を計算しました。この活動では歩幅を一定にすることや計算が難しかったです。そして最後に2日目の夜の懇親会です。視覚障害を持つ大学生の実体験をもとに僕たちはどう考えるかや、どうするかを考えました。一つ一つの体験が僕にとってとても考えさせられる内容でした。 次に楽しかったことです。1・2日目の夜、みんなでいろいろな話をしたことです。主に学校の話をしました。みんなが学校でどのようなことをしているのか、どんな部活があるのかなどを話しました。なかなかこうして他の学校の人たちと話す機会がなかったのでとても良い機会になりました。 今まで書いてきたように僕は3日間でたくさんのことを学び、他の学校の人たちとたくさん話しました。こうした経験を僕は今までしてこなかったので、とても良い経験になりました。そして僕が何よりうれしかったのは、筑波イレブンというグループラインができたことです。このグループラインで今後も関係を続けていきたいです。 そして最後に、科学へジャンプに携わっている先生方に大変感謝したいと思います。これまで経験できなかったことをたくさん経験できたこと、新たな友達関係を築けたことなど、うれしく思っています。これからも科学へジャンプを続けてほしいと思っています。本当にありがとうございました。 ### 中1(弱視) 僕はサマーキャンプで楽しかった事や印象に残っている事を書きます。楽しかった事があり過ぎて困りますが、みんなと9階の部屋に集まった時は面白かったです。そして高校生の参加者とiPadの話しができたことも楽しかったです。 印象に残っている事はNASAの斜めのベッドです。僕の知らなかった宇宙での事を知ることができて良かったです。形のワークショップの磁石が入っている面と入っていない面があるユニットで他の形を作るのも印象に残っています。同じ形をした物をくっつけて、他の物や形を作るのが楽しすぎていっぱい形を作れたのでよかったです。ICチップのワークショップも印象に残っています。ICチップのデータを書き換えました。いっぱい書き換えしたので楽しかったです。 ### 中1(弱視) 僕は科学へジャンプ・サマーキャンプに参加するのがとても楽しみでしたが、緊張もしていました。しかし、皆さんに会い少しずつ緊張もほぐれてきました。筑波技術大学に着いて、ルールがわからない中でしたが、みんなの協力をもらいながら何とか自己紹介を行うことができました。ワークショップでは中学生と高校生に分かれて、それぞれでワークショップを行いました。「電磁石や彫刻、ICカードについてや地球の大きさを測る」などを通してさらに科学の興味が深まりました。みんなと協力しながら電磁石を使った実験や研究を行うことができました。さらに、地球の半径を測ろうでは、京盲の人たちと協力しながら計算したんですが、求めることができませんでした。とても難しかったです。また、JAXA宇宙センターの見学では、普段入れないところに入らせてもらったり、人工衛星を見たりなどとても興味深かったです。懇親会では、食事をしながらチーム対抗早口言葉対決も楽しかったです。今回の科学へジャンプ・サマーキャンプで、弱視の人や全盲に近い人などと夜に話ができて人間関係がよりいっそう深まりました。途中で眠たくはなりましたが、最後まで起きてその地域の方言や大会のことなどをお話しました。この夜の時間が僕はとても楽しく良い思い出になりました。普段僕は1人で授業を受けているので、このサマーキャンプで複数人の人と授業を受けられたので楽しかったです。また、思い出づくりのために科学へジャンプでできた友達と写真を撮ったりなど、貴重な体験ができました。また筑波技術大学の見学に行って「こんないい大学があるんだ」と刺激を受けて大学進学するなら筑波術大学がいいなと考えました。先生方や生徒の皆様、僕に優しく接して下さりありがとうございました。連絡先も複数人交換したので機会があれば会いたいです。筑波での科学へジャンプ・サマーキャンプはとても楽しく思い出に残ったので、次回も筑波だと嬉しいです。次回も参加したいです。ありがとうございました。 ### 中2(弱視) いろいろな分野で科学が役に立っていることを学びました。例えば、ICカードの中にコイルが入っていて、そこに磁石がくっつくと電気が発生する。普段何気なく使っているICカードの中身が、このようにできているとは知りませんでした。コイルの仕組みを知ることができて、とても面白かったです。 JAXAの見学ツアーで興味深かったことの一つは、宇宙服を見たことです。僕はこれまで布一枚でできていると思っていたので、何枚もの布が重なっていると聞いて驚きました。昔十二単という服があったけれど、それよりもずっと重いんだろうなと思いました。自由時間に宇宙船のレプリカにも乗りました。レプリカだけど少し宇宙に行った気分になりました。いつか実際に宇宙へ行けたら嬉しいです。 科学へジャンプに参加して、自分の視野を広げることができたと感じたし、いろんな人と接することで成長もできたのではないかと思います。新たな目標もできました。またこのような機会があれば参加したいです。充実した3日間でした。ありがとうございます。 ### 中3(弱視) 僕がサマーキャンプで思い出に残ったことは、たくさんあります。まずは、ワークショップを複数人で受けられたことです。 普段、僕は盲学校に通っていて、授業を受ける時は一人で受けています。なので、友達の意見を聞きながら授業を受けられること、そして、同じように視覚障害を持つ仲間と授業を受けられたことがとても嬉しく、楽しかったです。 そして、サマーキャンプに参加したい理由の1つに高校生とも交流するというものがありました。今回のサマーキャンプでは、高校生、中学生関係なくみんなと話せたことがとても楽しかったです。 他にもワークショップは、ICカードについての授業がありました。ICカードの授業ではカードの中のチップを見て仕組みを理解したりしました。これの前日にあった電磁石のワークショップで学んだことを生かして学べたのでとても面白かったです。 今回、僕はワークショップの内容も興味があるものが多く、そして他の参加者の人との交流も全てがとても楽しかったです。3日間ずっと楽しい時間でした。 ### 高1(全盲) 科学へジャンプに参加した三日間で、さまざまなことを学び、とても楽しい時間を過ごすことができました。いろいろな形の図形を組み合わせて、何万もの形の種類ができるワークショップが印象的でした。私は、折り紙やパズルなどのようなものが好きであるため、とても興味深いワークショップでした。 また、JAXAで宇宙についてさまざまなことを学び、大西さんが実際に着ていた宇宙服を見ることができて嬉しかったです。私も5日、宇宙に行ってみたいと思いました。さまざまな人と交流し、この三日間でコミュニケーション力が上がっていることを実感しています。進路相談や恋愛相談、普段の生活について話し合うことができてとても良かったです。 いつか、このメンバーで再会できる日を楽しみにしています。ありがとうございました。 ### 高1(弱視) 私は今回のキャンプが二度目の参加でしたが、前回に引き続き、今回もとても貴重な経験をすることができました。そして、今回、より自分を成長させることができたと思います。 まず、つくばへの経路を調べるところから始まり、途中で少しハプニングがありましたが、無事つくばにたどり着くことができました。少し遅れてからついたこともあって打ち解けられるか心配でしたが、ついた時点でみんなもう楽しそうに談笑していて、私もすぐにその輪に加わることができました。女子は二人しかいませんでしたが、同年代ということもあってかえってとても親密になることができました。 ワークショップが始まってからは、専門的な内容も適度に織り交ぜ、私たちに実際に触れさせてくれながら話をしてくださったのでどのワークショップにも興味を持つことができ、さらに知りたいと思えたものも多々ありました。JAXAに行き、普段はできないような体験をしたことでこれまで興味がなかった宇宙系にも少し興味を持つことができ、よかったと思っています。 夜には、懇親会や歓談、部屋の行き来をするうちにお互いの学校のことや生活のことを話し、普段はあまり言えないことや相談もたくさん聞いてもらうことができ、アドバイスまでもらうことができました。考えさせられる場面も多く、今後のことについてもまた少し将来像を固めることができました。 さらに、素敵なことはキャンプが終わってからも、日々グループラインが動き続けているということです。その中でも一番うれしいのは、全員が何かしら近況報告や返信をしていて、一人一人がキャンプを楽しんだのがよくわかること、そしてお互いに仲良くなれたことです。みんなとラインをしていると時間があっという間に過ぎ去ってしまいます。たくさんの素敵な友達ができたことを誇らしく思うとともに、キャンプに参加して本当によかったとしみじみと感じます。キャンプが終わってそれぞれの生活に戻ったけれど、仲間がいることを胸に留めてこれからも頑張っていこうと思います。 かかわってくださったすべての方々、生徒の皆さん、素敵な三日間を本当にありがとうございました! いつかまた会える日を楽しみにしています。 ### 高2(弱視) 私は2023年7月15日から17日までの三日間、茨城県、つくば市、筑波技術大学で科学へジャンプという視覚障害者の中高生が集まる活動に参加しました。私はこの活動で三つのことが印象的でした。 一つは多くの技術を学べたことです。特に私が驚いた技術は「あしらせ」と二日目の午後から行ったJAXAの技術です。「あしらせ」というのは視覚障害者に行く場所を足に振動を与え教えてくれる道具です。私は普段、行き先を耳で聞きながら歩いていたのですが、これは足で知らせてくれるので耳も使い状況確認ができると聞き、便利な視覚支援機器がたくさんある事を驚かされました。私は「あしらせ」のような視覚支援機器を使って行きたいと思いました。そして将来は困ったことがあれば自分で支援機器を作りたいと思うようになりました。 二日目の午後からはJAXAに行きました。JAXAでは普段見れないものを見学させていただきました。宇宙飛行士の宇宙船の中の服や、地球から宇宙にいる飛行士に通信している所などを見させていただきました。JAXAで特に私が心を惹かれたのは日本製のロケットが、ずらりと並んでいる展示です。最初のロケットは30センチ程度の小さなもので、それから後どんどん大きくなっていき、性能も上がっていることがわかりました。私は日本がロケットをこんなにも作っていると知らなかったのでその歴史はとても面白かったです。JAXAにはなかなか行くことができないので、よい体験ができました。 二つ目は同年代の視覚障害者の学生と交流できたことです。私は小学校の頃から生徒数の少ない盲学校に通っていたので、同年代の人と、行動する機会はあまりありませんでした。みんなでご飯を食べながら話しをしたり、ホテルの部屋で集まって話しをしたりしたことは良い思い出になりました。同じ視覚に障害のある同年代の人と話すことができ、とても楽しかったです。この11人の繋がりを大切にしたいです。 三つ目は視覚障害者について深く考えることができたことです。二日目の夕食の時にみんなで一つのことについて考えるという時間がありました。この時、視覚障害者が車を健常者の人に運転をしてもらっている時に何か出来ることはないかという話がありました。私やほとんどの生徒は「感謝を言葉で伝える」や、「マッサージやお茶を買ってくる」などの行動で示すという考えでした。ですが先生の一人が「なんで視覚障害者は何かをしてもらったら何かをお返ししないといけないの?」とおっしゃっていました。私はその意見に考えさせられました。その意見を聞き私は感謝をしなくてはいけない理由は視覚障害者だからという理由ではないのではないかと考えました。 私は多くの人が集まれば多くの意見が出てきてとても面白い話し合いになる事を知りました。これからも人の意見を聞き自分なりにしっかりと考えていこうと思いました。 このように科学へジャンプでは多くのつながりができ、多くのことを学べました。これからもここで得たものを大切にし、努力して行きたいです。 ### 高3(弱視) 「科学を通して学んだこと」 私は、科学に興味があり、学校ではできない科学の勉強をしてみたいと思い「科学へジャンプ」への参加を決めました。また、今回の「科学へジャンプ」は、私の志望校である筑波技術大学で開催されると知り、高校3年生の私はいっそう参加への意欲が高まりました。また、私が通っている盲学校は生徒数が少なく、普段は限られた人としか話すことがないので、他の視覚障がいを持った方が、「今どのようなことで悩んでいるのか」などの情報を共有したいという気持ちもありました。「科学へジャンプ」への参加が決まった時は嬉しかったのですが、一人で筑波まで行くことができるか、東京で迷わないか、という不安もありました。しかし、乗り継ぎや空港などで受けられるサポートを先生に教わり、当日は空港や駅の方々に手引きしてもらいながら迷うことなく目的地に行くことができました。一人で移動できたことは大きな自信になりました。 私が「科学へジャンプ」の中で、特に印象に残っていることは三つあります。一つ目は、JAXA筑波宇宙センターを見学したことです。私は宇宙の知識はあまりありませんでしたが、JAXAの技術系のOBの方の説明を聞くことで知識が増え、宇宙のことについて興味を持つことができました。また、普段は入ることができない施設を見学するなど貴重な体験ができました。 二つ目は、最終日のワークショップの「地球の大きさのいいかげん計測」です。このワークショップでは、参加者がチームに分かれて、地球の半径を求めました。チームで協力しながらグラウンドの長さを測ったり、コンパスアプリを使い緯度や経度を確認したり、それらを式に当てはめて値を導きました。私は高校3年生チームだったので、上級生の意地で一番正確な値を出せた時は嬉しかったです。 三つ目は、2日目の夕食時の懇親会で行われたレクレーションです。2チームに分かれ、どちらのチームが早口言葉を早く言えるかなどのゲームをしました。ゲームも盛り上がりこのまま懇親会も終わるのかと思いましたが、これで終わらないのが「科学へジャンプ」です。ゲームも終わり盛り上がりも最高調に達した時に、同じ視覚障がいを持った方が私たちに、自分の体験を語ってくださいました。私達は、その状況で自分ならどのような行動をとるだろうか、ということをチームで意見を出し合いながら考えました。また、「合理的配慮とは何か?」について知ることができました。この話は、キャンプが終わった後も自分の中で考え続けています。 緊張して臨んだ「科学へジャンプ」ですが、始まると3日間がとても短く感じました。同じ視覚障がいを持つ同年代の仲間と一緒に過ごせたことは、とても貴重な時間となりました。出会えた仲間に「ありがとう」ともう一度伝えたいです。これから本格的に受験勉強が始まりますが、高3チームの一人として志望校に合格できうよう、他の二人に負けないくらい頑張ろうと思います。また、科学の知識だけでなく、これからの人生に役立つ様々なことを教えてくださった先生方本当にありがとうございました。この「科学へジャンプ」に参加して本当にたくさんのことを学ぶことができました。今回学んだことを、これからの学校生活に活かすとともに進路達成の原動力にしていきます。   ### 高3(全盲) 私は、今回初めて科学へジャンプ・サマーキャンプに参加しましたが、科学に関しての貴重な体験や、同じ視覚障害者の方との交流を通して、ためになる情報を沢山得ることが出来ました。ワークショップでは、内容を理解するのが多少難しい点もありましたが、生徒同士で話し合い、協力して活動を進めることが出来たと思います。また、科学技術の進歩を体験を通して実感し、とても勉強になりました。JAXAでは、宇宙についての知識や宇宙飛行士になることの大変さを学び、さらに宇宙への興味が湧いてきました。そして、私が今回のサマーキャンプで一番印象に残っていることは、懇親会です。二つのグループに分かれて、早口言葉対決や視覚障害者の悩み事について話し合い、生徒同士の仲を深めることが出来ました。サマーキャンプの参加者の皆さんと初めて会った時は、少し緊張していましたが、今、グループLINEでは通知が鳴り止まないほどにぎわっています。今回のサマーキャンプの仲間との出会いを大切に、またいつか集まって交流できたらと思います。そして、担当の小林真先生やお手伝いの方に、迷惑や心配をかけてしまった場面もありましたが、どんな時でも優しく親切に接していただいたおかげでとても楽しく、有意義な時間を過ごすことが出来ました。私は、この科学へジャンプ・サマーキャンプで学んだ知識や積極性、コミュニケーションをとることの大切さをこれからの将来に活かせるよう、頑張ります。 ### 高3(全盲) ●印象に残ったこと 私が科学へジャンプ2023に参加して印象に残ったことは、科学と言っても色々な分野があったことです。私は科学へジャンプでは、IT技術や物理、あるいは化学や生物についてやるのだと思っていました。実際、それらも含まれており、特にIT技術を面白いと感じました。しかし、それら以外にも科学へジャンプでは色々な事についてやりました。例えば一日目に行った、「触れて作る理解する情報相系ユニットで探る立体構造の世界」では、棒状の者の一部がひねれるようになっており、そのひねる場所や角度で立体を成型し、自分なりの立体を作ってみようという体験を行いました。私はこれをやっていて美術の制作か数学の構造の分野ではないかと感じました。また、最終日に行ったコンパスと計算機のアプリを使った地球の半径の計算は、地理か数学の分野とかぶっているように感じました。そこから科学はこういう立体の構造をいじる分野や、地球の構造を調べる分野もあるのだなと思いました。 ●今後自分で学習していこう、学びを深めようと思ったこと 私がかがくへジャンプ2023に参加して今後学習しようと思ったことは、AIについてです。科学へジャンプにてAIを使ったイラスト作成を行いました。そこで私は色々なAIについて聞きました。最近有名な「チャットGPT」やイラストを制作するもの、それの画像処理をするAIなどの話も聞きました。私が知っていたのだと、チャットGPTやイラスト作成、小説を自動生成してくれるものまであるそうです。事前に書きたいものを考えておいてくださいと言われていたので、有名なアニメのキャラクターを描くことにして、小説版の描写を参考に5単語ぐらいで作成してみました。全く別物が出来上がってとてもテンションが下がりました。そのため、もっと細かく設定すればできるのかなと考えました。そこからAIについて暇ができたら勉強しようと思うようになりました。 ●今回できた友達から受けた影響、自分の成長 私は科学へジャンプ2023に参加して多いとは言えませんが友人を作ることができました。私はあまりコミュニケーションが得意ではありませんでしたがこのサマーキャンプに参加して少し初対面の相手とのコミュニケーションができるようになったと感じています。やはり少し無理にでもこういうイベントに参加してみるとコミュニケーション能力が上がるなと思いました。それも成長の一つだとは思いますがこれ以外にできた友人たちから影響を受けたことがあります。それは自己管理能力です。ある意味、反面教師かもしれませんが、できた友人たちは自由な方が多く、疲れているのに夜遅くまで遊んでいました。参加者の中には最終日に荷物をなくした人や、徹夜して翌日のワークショップに参加できていない人もいました。これらのほかにも休憩中にやらかしている人を見て、高校卒業も近い事から、以前よりも必要な時に休む、荷物の整理はしっかりする、ルールは守る、翌日のことを考えて行動するなどの自己管理能力を上げる必要性を感じるようになりました。ほかにもいくつか絵影響を受けたことや成長を感じることはありましたが大きなものとしてはこの二つだと思いました。 ●キャンプでの出来事と将来の夢とのかかわり 私は、筑波技術大学への進学を目指しています。そんな時につくばで科学へジャンプがあると聞いて、参加することにしました。そこで筑波技術大学や社会人の先輩たちから色々な話を聞いたり、質問したりすることができました。二日目の夜には社会人になってこんな状態になったらどうする?と言うゲームを行い、実体験から来るその内容はとても参考になりました。そして大学の話も効くことができ、より筑波技術大学に進学したいと思うようになりました。   ## 実行委員会 - 実行委員長:小林 真 - 副委員長:渡辺 哲也 - 委員:金堀 利洋・北名 美雨・児玉 康一・小林 雅子・鈴木 千尋・鈴木 福江・鈴木 昌和・田中 仁・南谷 和範・山口 雄仁・山口 俊光 ## 当日スタッフ - 青木 千帆子・原田 壱成・宮城 愛美・村田 勇樹